
セキュリティインシデントとは、企業や個人の情報セキュリティに影響を及ぼす事件・事故のことで、デジタル化が進む昨今のビジネス環境において、対策は不可欠といえるでしょう。
しかし、どのような対策を講じるべきなのかを決めかねているというセキュリティ担当者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、セキュリティインシデントについて企業が取るべき対応について、3つの段階に分けて解説していきたいと思います。
この機会に、自社のセキュリティ体制を見直したいという方には、ISMSの取得もサポートしております。ISMSを取得するメリットや、取得までの流れについては、以下の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。

目次
セキュリティ弱点(ヒヤリハット事例)
最初の段階は「セキュリティ弱点」です。まだ、問題も被害も発生しておらず、「ヒヤリハット」の段階といえます。しかし、将来的にインシデントに繋がる可能性を持っているため、対応は必要です。
■具体例
・パスワードを机の上に付箋で貼っていたが、外部の人には見られていなかった。
・共有フォルダにアクセス制限が設定されておらず、誰でも閲覧できる状態だった。
・極秘資料を誤って社外に送信しかけたが、送信前に気づいた。
・サーバーのパッチ適用が数か月遅れていた。
…など。
まだ何も起きていなければ、内容だけを把握していれば十分と思われるかもしれませんが、この段階でも記録を残して再発防止策を講じることをおすすめします。
そして、社内教育で実際の事例として従業員に共有し、従業員の情報セキュリティへの意識を高めていきましょう。
ただし、事例として紹介する場合には、誰の事例であるかを特定されないよう、配慮を忘れてはいけません。万が一個人が特定されてしまうと、自社に被害を与えたかもしれない「要注意人物」として周知される可能性があり、思わぬトラブルに発展することも考えられます。
セキュリティ事象(何らかの問題、または可能性がある場合)
続いて「セキュリティ事象」です。これは、先述したセキュリティ弱点よりも段階が進んでいて、システムや情報に何らかの問題が発生した、あるいはその兆候が見られる状態です。まだ被害は確認できていないものの、今の状態で放置していると影響が生じる可能性があるため、一刻も早い対応が求められます。
■具体例
・不審なアクセスログ(海外IPからの試行など)が検出された。
・従業員が不審なメールを開封してしまった。
・機密性の高い情報が誤って外部共有サービスにアップロードされてしまったが、第三者によるアクセスは確認できていない。
…など。
このような事象が確認された場合は、通常どおり業務ができている状態であったとしても、速やかに影響範囲の調査を行ってください。判断に迷うことがあれば、一時的に該当システムを遮断・停止し、被害拡大を防ぐ対応をとったうえで、専門知識を持つ部署や上長・担当者へエスカレーションしましょう。
この時点では「インシデントの前兆」となりますが、適切に対応しなければいつ「インシデント」 に発展してもおかしくない状況であるといえます。
セキュリティインシデント(具体的な被害が出ている場合)
最後に「セキュリティインシデント」です。すでに、情報の漏えい・改ざん・破壊・不正利用など、実際に被害が確認されている段階を指します。企業にとって、最も重大な段階で、法的対応や報告義務、顧客への説明などが必要になる場合もあります。
■具体例
・顧客情報や財務情報などを誤って社外に送信し、第三者に閲覧されてしまった。
・紙媒体の個人情報が紛失・盗難に遭ってしまった。
・ランサムウェア感染により業務データが暗号化され、業務停止に陥ってしまった。
…など。
この場合、最優先すべきは被害拡大を防ぐことです。速やかにシステムの遮断・停止、アカウントの停止をしてから、原因の特定や影響範囲の確認をしましょう。その後、法令や社内規程に基づいた報告を実施し、必要に応じて警察・監督官庁・顧客などへの連絡も行います。
原因の特定・影響範囲の確認を終えたあとは、法令や社内規程に基づいた報告を実施し、再発防止策をまとめてインシデント報告書を作成します。従業員に対しても、再発防止教育やルール見直しを徹底しなくてはいけません。
先日も、アサヒグループホールディングスでサイバー攻撃によるシステム障害が発生し、大規模に業務が停止する状況となったことが、大きなニュースとなりました。セキュリティインシデントが発生し、一定期間の業務停止を余儀なくされれば、多大な経済的損失を被ることになります。それだけではなく、企業の信頼を失墜させる原因にもなるでしょう。
企業の規模に関わらず、常にセキュリティインシデントのリスクを抱えていることを念頭に置き、ヒヤリハットの段階からしっかりと拾い上げて重大なインシデントを未然に防ぐ「早期発見・早期対処」の姿勢が重要です。
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