
・ PマークやISMSを取得したいけど、費用が高くて躊躇している
・1円でも安くPマークやISMSを取得したいと考えている
そのような悩みをお持ちの担当者様も多いと思います。
この記事では、「東京都港区」を例に、PマークやISMSの新規取得に利用できる補助金の申請方法について分かりやすく解説します。費用を抑えたい方は、この記事を参考にして、所在地の自治体で利用できる補助金がないか調査し、条件が合えば申請してみてください。
そもそもPマークとISMSってなに?という方はこちらの記事をご覧ください。

目次
Pマーク取得に活用できる補助金・助成金
プライバシーマーク(Pマーク)の取得には、専門的な知識と社内体制の整備が求められ、一定の費用も発生します。
その負担を軽減するために、国や自治体が提供する補助金・助成金制度を活用するのがおすすめです。
代表的な制度としては、情報セキュリティ対策を支援する「IT導入補助金」や、都道府県・市区町村が独自に実施する中小企業向けのセキュリティ関連助成金などがあります。
これらを上手に活用すれば、Pマーク取得にかかるコンサル費用・教育費・文書整備費などの一部を補うことができ、費用を抑えながら社内の個人情報保護体制を強化することが可能です。
補助金・助成金とは?違いをわかりやすく解説
「補助金」と「助成金」は、どちらも国や自治体から支給される返済不要の資金です。
企業や個人事業主が新しい取り組みを行う際に、費用の一部を支援する目的で設けられています。
ただし、この2つには支給の仕組みや申請条件に明確な違いがあります。
■ 補助金とは
補助金は、国や自治体が特定の事業や取り組みを支援するために設けた制度です。
応募内容をもとに審査が行われ、採択された場合のみ支給されます。
そのため、「申請=必ずもらえる」わけではなく、
採択率がある程度限られている点が特徴です。
また、いったん自社で費用を立て替え、**後払い(精算方式)**で補助金が支給されるケースがほとんどです。
■ 助成金とは
助成金は、あらかじめ定められた条件を満たすことでほぼ確実に支給される資金です。
たとえば、
- 新たに正社員を雇用した
- 従業員に研修を実施した
などの取り組みを行った際に、申請すれば支給されるケースが多く見られます。
手続きは比較的シンプルで、書類不備がなければ受け取りやすいのが特徴です。
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
| 支給元 | 国・自治体・省庁など | 厚労省・自治体など |
| 支給の形 | 審査・採択制 | 条件達成で支給 |
| 受け取りまでの流れ | 後払い(実績報告後) | 条件確認後に支給 |
| 受給の確実性 | 申請しても不採択の可能性あり | 条件を満たせば高確率で受給 |
| 主な目的 | 新規事業・投資促進 | 雇用・人材育成支援 |
東京都港区なら、Pマーク・ISMS新規取得時に最大50万円の補助が受けられる
東京都港区には「ISO等取得支援事業補助金」という制度があり、一定の条件を満たすと、ISO27001、エコアクション21、プライバシーマークの認証を新規に取得する際に、その経費の一部を最大50万円までの補助してくれます(この項目は2024年度の情報に基づいています)
出典:https://minato-sansin.com/iso_hozyo/
(1)対象となる事業者
対象となる事業者は次のすべての要件を満たしている事業者です。
・区内に本社を有する法人又は区内に事業所を有する個人事業主で、引き続き1年以上区内で事業を営んでいること。
・事業所がバーチャルオフィスではないこと。
・みなし大企業ではないこと。
・団体で申請の場合は、中小企業者又は区内で活動し、区内に本部若しくは支部を持つ工業会、業種別団体、商店街若しくはおおむね10社以上の中小企業で構成された業界団体であること。
・ISO27001については、認証を取得するために必要な内部監査の実施が終了しており、かつ、補助対象規格の認証を受けていないこと
・エコアクション21については、認証・登録を取得するために必要な環境活動報告書の作成が終了しており、かつ、認証・登録証の交付を受けていないこと
・プライバシーマークについては、登録証を取得するために必要な内部監査の実施が終了しており、かつ、登録証の交付を受けていないこと
(2)支給条件
支給条件は下記の通りです。
・補助金申請時点でプライバシーマーク取得に向けた内部監査を完了していること
・補助金申請時点でプライバシーマーク認証の登録を受けていないこと
原則として会計年度の中で完結することを想定しているようです。すなわち、毎年4月に募集が始まり、各社が補助金の申請を行い、その後プライバシーマークの審査を受けて、翌年の3月までにプライバシーマークの取得が完了するというスケジュールになります。ですから、このスケジュールに合わない時期に、いきなり補助金をもらいたいと思っても、受け付けてもらえない可能性が高いです。
(3)補助金の対象となる経費
補助金の対象となる経費は下記の通りです。
・申請料
・審査料
・登録料
・コンサルタント委託料
これらの対象経費の総計の2分の1、上限50万円までの補助金を受け取ることができます。
【注意・補足事項】
東京都港区の「ISO等取得支援事業補助金」は、例年4月に予算が組まれ、その年度の募集が始まります。先着順で予算額に達すると受付終了となります(募集枠は30件程度)。
その他の自治体が提供するPマーク・ISMS取得の補助金・助成金の概要
PマークやISMS取得に関する補助金・助成金は、全国の多くの自治体で提供されています。以下に、各自治体で支給される一部の補助金・助成金の概要をまとめました(2024年9月現在)。ご自身の企業の所在地の自治体で、利用できる制度があるか確認してみましょう。
| 自治体 | Pマーク | ISMS |
|---|---|---|
| 東京都港区 | 対象経費の1/2以内(上限50万円) | |
| 東京都練馬区 | 対象経費の1/3以内(上限50万円) | |
| 東京都江東区 | 対象経費の1/2以内 (上限20万円) | 対象経費の1/2以内 (上限50万円) |
| 東京都江戸川区 | 対象経費の2/3以内(上限50万円) | |
| 東京都足立区 | なし | 対象経費の1/2以内 (上限50万円) |
| 東京都荒川区 | 対象経費の1/4以内 (上限30万円) | 対象経費の1/4以内 (上限50万円) |
| 千葉県船橋市 | なし | 対象経費の1/3以内 (上限50万円) |
| 千葉県松戸市 | なし | 対象経費の1/2以内 (上限30万円) |
| 愛知県春日井市 | 対象経費の1/5以内(上限200万円) | |
※詳細については、各自治体に直接お問い合わせください。
各自治体によって、PマークとISMSの両方に対応しているものや、ISMSのみ支給されるものもあります。多くの自治体では、「申請料」「登録料」「審査料」「コンサルタント委託料」が対象経費となっており、取得にかかる経費の一定割合が支給されます(上限額あり)。ただし、各自治体の制度には違いがあるため、利用を検討する際には、必ず各自治体に確認してください。
注意喚起:雇用関係助成金を使ってPマーク取得費用を削減するコンサル業者には要注意
Pマーク取得費用を最小限に抑えたいと考えている方は、「雇用関係助成金を活用してPマーク取得費用を削減できる」というコンサル業者の主張には注意してください。
なぜなら、「雇用関係助成金」は、雇用の安定や働き方改革、人材育成に関連する費用を支援するための助成金であり、PマークやISMS取得費用に対する助成金ではないからです。
このような手法は、最悪の場合、詐欺罪等で摘発される可能性もある危険なものです。したがって、そのようなコンサル業者には十分に注意してください。
まとめ
この記事では、PマークやISMS取得において最大50万円の補助金が利用可能な例として「東京都港区」の制度を紹介し、また全国の自治体における助成金・補助金についても解説しました。
オプティマ・ソリューションズでは、PマークやISMSの新規取得に関連する準備や手続きのサポートを行っております。すでに複数のお客様が、実際に弊社のコンサルティング費用を補助金の対象経費として申請し、補助金を受け取っておられます。
PマークやISMSの新規取得を検討されている担当者の方は、ぜひオプティマ・ソリューションズにお気軽にご相談ください。







