
個人情報保護法の制定や、コンプライアンス対応の取り組み強化といった社会情勢の変化により、一段と個人情報の保護が求められるようになっています。
企業にとっても、個人情報の保護は大きな課題となっており、さまざまな取り組みがなされています。この取り組みの一環として、プライバシーマーク(以下、Pマーク)を取得する企業も増えています。
本記事では、Pマークの取得方法を中心に、取得することによるメリット・デメリットなどについて、詳しく紹介します。
今後、企業にとってPマークの重要性は、ますます高まることが予想されます。ぜひ、最後までお読みください。
目次
Pマークとは?
Pマークとは、「個人情報を適切に管理している」と評価された事業者が使用できるマークを指します。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(以下、JIPDEC)によって、1998年4月1日から創設・運用されています。
個人情報保護の重要性が高まっていることから、日本国内で約17,700社以上の事業者がPマークを取得しています(2025年11月現在)。
Pマークが取得できる事業者は、以下の5つの条件を満たす必要があります。
- 日本国内に活動拠点を持つ事業者であること
- JIS Q 15001「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に基づいた「プライバシーマークにおける個人情報保護マネジメントシステム構築・運用指針」に即し、個人情報保護マネジメントシステム(以下「PMS」)を定めていること
- PMSに基づき実施可能な体制が整備され、個人情報の適切な取扱いが行われていること
- PMSの運営体制として、社会保険・労働保険に加入した正社員、または登記上の役員(監査役を除く)の従業者が2名以上いること
- 「プライバシーマーク付与に関する規約(PMK500)」に定める欠格事項に該当しない事業者であること
※個人情報保護マネジメントシステムとは、組織内で個人情報を適切に取り扱うためにPDCAサイクルを回す体制のことであり、この体制を構築し、運用することが、プライバシーマーク取得の条件となっています。省略して「PMS」と呼ばれます。
Pマーク取得のメリット・デメリット
Pマークを取得することによって得られるメリット・デメリットを紹介します。
Pマーク取得のメリット
メリットとしては、大きく以下の3点があります。
- 企業への信頼性が高まる
- 情報漏えいのリスクが減少する
- ビジネスチャンスが拡大する
Pマークを取得していることによって、「個人情報を適切に管理している」と評価がなされます。そのため、顧客や取引先の企業からの信頼度が向上するといったメリットがあります。
また、Pマークを取得するにあたっては、厳しい審査基準をクリアしなければならないため、個人情報の漏えいなどのリスクが減少するという点もメリットといえます。
さらに、Pマークを取得していることが、官公庁等の入札条件となっているため、入札に参加できるようになります。一般企業との取引においても、Pマークを取得していると取引チャンスが増えます。
そのため、ビジネスチャンスの拡大といったメリットも合わせて享受できます。
Pマーク取得のデメリット
一方、Pマークを取得することによるデメリットには、以下の2点があります。
- Pマーク取得手続きにあたっての対応工数がかかる
- 取得にあたってコストがかかる
Pマークを取得するためには、さまざまな手続きが必要となり、提出すべき書類の数も多いといえます。
また、Pマークを取得するためには、個人情報の管理のために、新たな社内ルールを設け、そのルールを遵守するために、従業員の作業工数が増えてしまうということもありえます。
このように、Pマークの取得のためには、対応するための工数が増えます。そのため、その分のコストが新たにかかるとともに、申請のための費用もかかることから、コスト増となってしまうというデメリットがあります。
Pマークの取得方法および申請の流れ
Pマークを取得するためには、大きく以下の4つの手順を踏む必要があります。
- 事前準備(PMSの構築・運用・内部監査)
- 申請
- 審査
- Pマーク取得
それぞれの手順の詳細について、詳しくみていきましょう。
事前準備
Pマークの申請前に必要なこととしては、PMSを構築し、PDCAサイクルを最低一回は回すことが求められます。
そのため、Pマークの申請の際に、PMSの規程と様式の一式、それに運用記録の提出が求められます。運用記録とは、PMSに基づいた規程や計画の作成(P)、運用(D)、監査(C)、改善(A)のPDCAサイクルを、最低1回以上実施したことがわかる記録を指します。
申請
Pマークを新たに申請する場合には、Pマーク指定審査機関(19機関)またはJIPDECに申請を行う必要があります。どの審査機関に申請すればよいかは、業種や本社の所在地によって決められています。
自社がどの審査機関に、Pマーク申請をするかについては、JIPDECのプライバシーマーク制度のサイトで確認してください。本記事では、JIPDECへの申請方法について、詳しく紹介します。
JIPDECへ申請する方法には、以下の2つの方法があります。
- オンライン申請
- 郵送による申請
オンライン申請の場合は、「Pマークポータルサイト」から申請を行います。Pマークポータルサイトにサインインする前に、提出する申請書類、個人情報マネジメントシステム文書一式の電子データを準備しておきましょう。なお、申請に必要な書類の詳細は、こちらを参照ください。
郵送による申請の場合は、申請に必要な書類を準備し、JIPDECへ郵送します。郵送にあたっては、配達記録が残るもの(書留、宅配便等)を利用しましょう。申請にあたって必要となる書類は、オンライン申請のときと異なります。郵送による申請に必要な書類の詳細や、申請書類送付先はこちらを参照ください。
審査
Pマークの審査には、以下の3つの審査があります。
- 文書審査
- 現地審査
それぞれの審査内容について、詳しくみていきましょう。
文書審査
文書審査では、申請書類のうちPMS文書(内部規程・様式)が、「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステムー要求事項」に適合しているか否かが審査されます。
文書審査の結果は、現地審査実施までに書面で連絡されます。文書審査において不備があると判断された場合には、現地審査までに改善することが求められ、現地審査時に改善状況の確認が行われます。
現地審査
現地審査では、PMSの通りに体制が整備され、運用されているか等についての確認がなされます。なお、審査機関は審査料および現地審査に係る費用が振り込まれていない場合には、審査を中止することが認められているため、忘れずに振込を行っておきましょう。
現地審査の流れは、以下のとおりです。
- トップインタビュー
事業者の代表へのインタビュー(トップインタビュー)。個人情報保護方
針や個人情報保護のための人的資源(体制)などがヒアリングされます
- PMS運用状況の確認
申請担当者や個人情報保護管理者、個人情報監査責任者等に対して、実際
のPMSの運用状況を確認します。事業の内容を詳細にヒアリングし、個人
情報の特定やリスクアセスメント、リスク対策および安全管理措置等の状況
確認がなされます
- 現場での実施状況の確認
個人情報を実際に取扱っている執務室や作業場等で、事業者が講じている
安全管理措置の実施状況を確認します
- 総括
審査員からPMS運用において改善が必要であると判断された事項(指摘事項)に
ついて、確認と説明がなされます
なお、現地審査において指摘事項があった場合には、現地審査後に指摘事項文書が送付されます。指摘事項文書に記載の日付から3か月以内に、改善報告書を改善のエビデンスを添えて提出が求められます。
Pマーク取得
文書審査および現地審査の結果に基づき、各審査機関の審査会において、Pマーク付与適格性の有無が決定されます。その後、申請事業者に対してPマーク付与適格性審査決定結果の通知がなされます。
付与適格決定を受けた事業者は、付与機関(JIPDEC)とPマーク付与契約を締結することで、Pマークの付与を受けられます。
Pマーク取得までの期間(目安)・費用および有効期限
Pマーク取得までの目安期間は、申請からおよそ6~8カ月程度といわれております。Pマークを取得するにあたっては、申請料・審査料・付与登録料が必要となります。これらの費用は、事業者の規模によって異なります。
料金表(2019年10月1日適用)によると、小規模事業者は約31万円、中規模事業者は約63万円、大規模事業者は約126万円となっています。なお、費用の詳細については、こちらを参照ください。
なお、JIPDECから2026年10月1日より、料金改定される旨のアナウンスがされています。改定後の料金は、小規模事業者は約34万円、中規模事業者は約69万円、大規模事業者は約138万円となるため注意が必要です。詳細は、こちらを参照ください。
また、Pマークの有効期限は2年間です。そのため、有効期限を超過する前に更新手続きが必要となるため、注意しましょう。
事前準備をしっかりと行い、Pマークを取得しましょう
本記事では、Pマークの取得方法を中心に、Pマークの定義や取得することによるメリット・デメリットを紹介しました。
Pマークを取得することによるメリットは大きく、また事前準備が大切ということもわかったのではないでしょうか。
本記事を参考に、事前準備をしっかりと行い、Pマークの取得を図っていきましょう。
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・オリジナルテンプレートからのカスタマイズができるので、工数の削減が可能
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・コンサルティングを行う際、担当者の皆様自身にPマークの知識やコツを見つけていただいて、皆様の会社自体が成長していただけることを心掛けています
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