クラシコム様(「北欧、暮らしの道具店」を中心としたECサイト運営、メディア運営、コンテンツ開発など) | オプティマ・ソリューションズ株式会社 オプティマ・ソリューションズ株式会社
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クラシコム様(「北欧、暮らしの道具店」を中心としたECサイト運営、メディア運営、コンテンツ開発など)

Pマーク取得

ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を通じ、オーダーメイドなライフスタイル「フィットする暮らし」を求めるお客様を支援する株式会社クラシコム。同社は、株式上場を機に情報セキュリティのガバナンスを明確にする必要性があると考え、2023年8月にプライバシーマーク(以下、Pマーク)を取得しました。 今回、そのPマーク取得の背景と取得プロセスなどについて、ビジネスプラットフォーム部 コーポレートソリューショングループ 中村 美貴氏、人事企画室 広報 白方 はるか氏に話を伺いました。

御社の会社概要、展開されているビジネスについてお聞かせください。

白方氏:当社はオーダーメイドなライフスタイルを求めるお客様に向けて、「フィットする暮らし」を支援するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を中心に、D2C(ECサイト)、コンテンツ・パブリッシャー(情報発信)、ブランドソリューション(広告)の3つを展開しています。

D2Cはビンテージの北欧食器専門店として2007年からスタートしました。現在は北欧に限らず、日本を含めた世界中の商品をセレクトして、「暮らしにフィットする」商品を販売。雑貨やアパレル、コスメ、家具などの幅広い商品展開、およびオリジナルブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING」「NORMALLY」の商品開発・販売にも注力しています。

コンテンツ・パブリッシャーは、ライフカルチャーを表現するWeb記事、ポッドキャスト、オリジナルドラマやドキュメンタリーなどのコンテンツをパブリッシングする事業です。楽しんでいただけるコンテンツを発信していくことでお客様との接点を増やし、エンゲージメントの向上を目指していきます。さらに、劇場映画や企業タイアップ、関連グッズの開発など、IP(Intellectual Property:知的財産)を使った新たなビジネスも生み出しています。

ブランドソリューションは、「北欧、暮らしの道具店」で培った企画・制作力を活用し、クライアント企業のマーケティング上の課題に対する総合的なソリューションを提供しています。商品開発からプロモーション活動、さらにはサンプリングおよびテスト販売など、ブランディングに関わるすべてのフェーズを支援することができます。

今後もジャンルや枠組みにとらわれないマルチカテゴリー&マルチチャネルを推進しつつ、「フィットする暮らし、つくろう。」をミッションとしたサービスを展開していくつもりです。

Pマーク取得に至った背景をお聞かせください。

中村氏:当社は2022年8月に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。上場に向けた準備を進めているなかで、情報セキュリティのガバナンスを明確にする意義を感じて検討し始めたのがPマーク取得の背景となります。

Pマーク取得の意味や効果、取得後の運用方法などを幅広く議論しました。最終的には、やはり公の認証に基づいた情報セキュリティのフレームワークを使うことで効率的な運用が可能であるという結論に達し、Pマーク取得の取り組みに着手しました。

ISMS ではなく、Pマークを選定された理由をお聞かせください。

中村氏:検討の際、ISMSにするかPマークにするかという議論がありました。ISMSはスコープを限定して部門ごとに取得することも可能ですが、Pマークは原則として会社全体で取得する認証です。前述の通り、私たちにとって重要なのは「会社としての土台づくり」でしたので、全社的な枠組みを築けるPマークを選ぶのが最適だと判断しました。

取り組みの体制・事務局の枠組みを教えてください、

中村氏:個人情報保護に取り組む委員会から選抜された中村とその上長、法務の担当者の3名が中心メンバーです。そのほか、フェーズごとに経理担当、IT担当、監査担当の各1名が適宜加わる計6名体制でプロジェクトがスタートしました。

コンサルティング会社の比較・検討はされたのでしょうか。

中村氏:事務局にPマーク取得経験者がいなかったため、コンサルティング会社は必須だと考えていました。オプティマ・ソリューションズを選定したのは、当社取締役CTOからの紹介です。

CTOが代表取締役をつとめる株式会社ソニックガーデンではすでにPマークを取得しており、その際に支援していただいたのがオプティマ・ソリューションズとのこと。オプティマ・ソリューションズの柔軟な対応が素晴らしかったという話を聞き、当社の支援もお願いさせていただきました。

Pマーク取得までのプロセスをお聞かせください。

中村氏:オプティマ・ソリューションズに発注し、2021年9月からPマーク取得の取り組みを始めました。

あえてPマーク取得の期限は設定せず、工程表に基づきながら、できることを粛々と取り組むスタイルで進行していきました。この間、オプティマ・ソリューションズとのオンラインミーティングは、月1~2回欠かさず実施し2023年8月に取得することができました。

取り組みで大変だったところがあれば教えてください。

中村氏:実際のところ、戸惑いもあり、大変なことが多かったのですが、具体的に実務で大変だったところは以下となります。

<社員の個人情報の取り扱いについて同意を得る仕組みの構築>

中村氏:社員の個人情報の取り扱いについては、就業規則のルールに沿って運用すれば大丈夫だと思っていたのですが、オプティマ・ソリューションズからは、今回を機会に社員の同意を取得する必要があるとアドバイスしていただきました。とはいっても、100名弱の社員全員から同意を得るには、それなりの労力と時間がかかります。

なるべく手間をかけず効率的に進める方法を思案し、既に活用していた電子サインを使うことにしました。約1カ月はかかりましたが、これにより社員全員から同意を得ることができました。なお、この電子サインの仕組みはそれ以降の新人社員の入社時の手続きにも活用しています。

<業務委託先の洗い出しと業務委託契約書の確認作業>

中村氏:Pマークでは業務委託先をしっかり管理する必要があります。当社の業務委託先は、倉庫業務の物流からクラウドアプリケーションまで幅広く存在しています。それぞれの業務委託先と締結した業務委託契約書の中身の確認作業を行いました。業務委託契約書に個人情報の取り扱いについて明記されているか法務担当と一緒に確認し、足りなければ追加の覚書を締結していきました。

取り組みにおける率直な感想をお聞かせください。

中村氏:取り組んでいる最中は試行錯誤の繰り返しでしたから、取得した直後の感想は「ほっとした」の一言です(笑)。実は今回の取り組みにあたって、プロジェクトのメインを任されたことから「会社で一番詳しいプロになる」という意気込みと、「頭の中を整理し因数分解しながら取り組んでいきたい」という私自身の性分から、個人的に個人情報保護士の資格も取得しました。それもあって、初回の現地審査時における指摘事項は軽微なものが3つのみ。本当に頑張って取り組んできましたから、感想としては安堵感が一番ですね。

社内への啓蒙と社員の意識変化などついてはいかがでしょうか。

中村氏:Pマークは、社内教育においてPDCAを回しながら続けていくことを重視しています。これを踏まえ、今後の情報システム構築やサービス提供を行う上で、初期段階から個人情報ありきで取り組んでいく考え方『プライバシー・バイ・デザイン』が重要だと考えました。そこで、社内のマネージャークラスに向けた説明会を皮切りにプライバシー・バイ・デザインの啓蒙活動を実施。おかげさまで、徐々に『プライバシー・バイ・デザイン』の考え方は社内に浸透していきました。

例えば、新しい取り組みをするときやシステムを切り替えるときなどは、「この施策についてPマークの観点でチェックしていただけますか」といった相談が当り前のようにきています。それも、さまざまな部門から問い合わせがきていますから、多くの社員が個人情報保護の領域を考えているのがよく分かります。私だけが必死になっているのではなく、会社全体でPマークを遵守しようとする動きを感じられることが嬉しいですね。

オプティマ・ソリューションズへの評価をお願いします。

中村氏:こちらが分からないところを丁寧かつ的確に受け答えしていただき、本当に助かりました。質問管理表のスプレッドシートを介して相談させてもらいましたが、定例会の時には必ず埋まって戻ってくることにいつも感謝していました。最終的には150前後まで到達した質問管理表ですが、その回答部分は今見ても幅広い知見と理解の深さを感じ取ることができます。

2025年5月に更新審査がありましたが、驚くことに指摘箇所はゼロでした。これも、コンサルタントさんのアドバイスが大きかったことは間違いありません。ちなみにコンサルタントさんいわく「ゼロはあまり記憶にない」ということですから、私自身も素直に喜んでいます。

今後の取り組みをお聞かせください。

中村氏:Pマーク運用で大切なことは、過剰でも不足でもない“ちょうど良い”状態を維持し、長く続けられる仕組みにしていくことだと感じています。そして無理なく続けられる仕組みとしての強さを大切にしていきたいと考えています。

そのため、まずはこれまでのやり方や手順を整理し、より効率的に進められるようフォーマット化したドキュメントの整備を進めていくつもりです。

白方氏:当社は「フィットする暮らし、つくろう。」というミッションを実現するため、常に新しい領域にトライしています。そして「フィットする暮らし」はお客様に向けたものでだけではなく、我々自身も気持ちよく働くために必要だと実感しているところでもあります。ちょっと漠然としてしまいますが、そうした状態を目指すにはPマークは大前提のような気がします。そんなPマークを正しく運用していくため、引き続きオプティマ・ソリューションズの支援に期待しています。今後もよろしくお願いいたします。

担当コンサルタントからひとこと

<コンサルタント 大塚晃司(おおつか こうじ)>

Pマーク認証取得、おめでとうございます。

IPOを目前に予定されているなどさまざまな制約のある中ではありましたが、質問管理表でのやり取りなども通じてお客様には審査基準に対する理解を深められ、それがふさわしい結果につながったことと思います。

この質問管理表でのやり取りは、私も大変勉強になりました。

例えば、Webサイトでの同意取得のためのボタンの設置の仕方次第でコンバージョン率が下がってしまうとのご指摘いただいたことをよく覚えています。事業への影響を最小限にしながら審査基準を満たすことの重要性を再確認させていただきました。

今後とも適切な運用をよろしくお願いいたします。

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クラシコム様(「北欧、暮らしの道具店」を中心としたECサイト運営、メディア運営、コンテンツ開発など)

2006年9月設立。ライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を中心に、D2C、コンテンツ・パブリッシャー、ブランドソリューションを展開。事業活動を通じて多くの人の「フィットする暮らし」づくりに貢献し、Well-beingな人が大勢いる「心地よい社会」の実現の一助になることを目指している。

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