【新制度始まる】JIPDECと日本DPO協会が共同して「個人情報保護力量検定」を創設 | オプティマ・ソリューションズ株式会社 オプティマ・ソリューションズ株式会社
助太刀記事の背景画像 雲の装飾
の画像

助太刀記事

【新制度始まる】JIPDECと日本DPO協会が共同して「個人情報保護力量検定」を創設

2024.3.15

個人情報保護力量検定
プライバシーザムライのアバター
プライバシーザムライ

プライバシーザムライ 中 康二です(オプティマ・ソリューションズ株式会社 代表取締役)。ソニー出身。プライバシーマークとISMSの専門家。個人情報保護/情報セキュリティに関して、最新の情報を皆様にわかりやすく発信しています。

※トップ画像は「個人情報保護力量検定教科書」の表紙です。

皆さんこんにちは。
プライバシーザムライ中康二です。

皆さん、日本DPO協会という団体はご存じでしょうか?

そもそも「DPO(Data Protection Officer)」とは、組織内での個人情報保護に責任を持つ立場の役職です。欧州のプライバシー法制であるGDPRでは、組織が一定の条件を満たす場合にはこのDPOを置くことが義務付けられています。

日本の個人情報保護法では、DPOを置くことは義務付けされてはいませんが、個人情報保護に関して適切な社内体制を構築するためにはDPOの設置はもちろん効果的ですし、プライバシーマークの審査基準であるJIS Q 15001では「個人情報保護管理者」を置くことが要求されており、これは事実上のDPOと言えましょう。

そのような背景のもと、日本でも各企業における「DPO」の設置が広まることを目的として、日本DPO協会という団体が設立され、活発に活動しているようです。

そんな日本DPO協会と、プライバシーマーク制度を運用しているJIPDEC(日本情報経済社会推進協会)がタッグを組んで、「個人情報保護力量検定」という制度を開始すると3月13日に発表しました。

「個人情報保護力量」という言葉もちょっと面白いですが、要は組織内で個人情報をどのように取り扱うかに関する実践的な知識の習得度を確認する試験を実施し、合格した人はそこで求められている力量を持っていることが証明されるという制度のようで、試験制度と試験のための教育制度が開始されるとのことです。

なお、この検定は二つのレベルがあるそうです。
(1)スタンダード 学生や実務担当者向け
(2)エキスパート 個人情報保護管理者、個人情報保護監査責任者向け

また、この試験の教科書は下記の2つから構成されるとのことです。
(1)個人情報保護力量検定教科書(日本DPO協会発行 ※オンライン販売)
(2)個人情報保護マネジメントシステム導入・実践ガイドブック(JIS Q 15001:2023)-PマークにおけるPMS構築・運用指針対応-(JIPDEC発行 ※書籍として販売中のもの)

試験は4月8日から全国350か所のテストセンターで受験できるそうです。
・出題形式:択一式の設問からの出題
・合格発表:試験終了後、即時発表
・受験料:一般 11,990円(税込)、学生 9,990円(税込)

JIPDECからのリリース
https://www.jipdec.or.jp/news/pressrelease/20240313.html

日本DPO協会からのリリース
https://dpo.or.jp/3305/

記者会見の様子
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240313-2905536/

教科書の半分が、JIPDECの発行するプライバシーマーク審査基準になっていることからも分かるように、この検定制度は主にプライバシーマーク取得事業者を対象にしたものと言えそうです。記者会見の中で「合格率はスタンダードで30%、エキスパートは10%」という発言があったとのことで、少し厳しめの試験になるとのことですが、プライバシーマーク取得事業者の担当者の方や、個人情報保護管理者の方には、是非挑戦していただきたいと思います。

この内容が皆さんにとって何かの参考になればと思います。

また、何か情報が入りましたら、皆様にシェアいたしますね。

プライバシーザムライ
中 康二

週に一回程度、更新情報をお届けします。

こちらからメールアドレスをご登録ください。