
※トップ画像はPPCのWebサイトより
皆さんこんにちは。
プライバシーザムライ中康二です。
個人情報保護委員会(PPC)は、今週5月26日(月)から6月1日(日)までの一週間を「個人情報を考える週間」として、プライバシー問題と個人情報の保護に関して集中的に啓発活動を行っています。これは、PPCがアジア太平洋プライバシー機関(APPA)の一員として、毎年行っている啓発活動の一環で、今年で7回目を迎えるものです。企業・教育現場・家庭、そして私たち一人ひとりが、個人情報を正しく扱う意識を持つことの大切さが改めて呼びかけられています。
目次
増え続ける個人情報漏えい、原因の多くは「うっかり」ミス
PPC手塚委員長が発したメッセージによると、2024年度上半期の個人データの漏えい報告件数は7,735件。前年同期(4,938件)と比べて約1.5倍に増加しています。
とりわけ目立つのが、「誤送付」や「紛失」といった人為的なミスによる漏えいとのこと。下記のような例が多く発生したとのことです。
• 医療機関で患者の個人情報を別人に渡してしまった
• クレジットカードの明細が他人に誤送付された
これらは、決して悪意ある不正アクセスではありません。しかし、被害を受ける本人にとっては、「うっかり」では済まされない問題です。
事業者に求められるのは「教育」と「仕組み」の両輪
「人間はミスをするものだからしょうがない」とあきらめてはいけません。
PPCは事業者に対して、「研修などの教育」だけでなく、「ミスが起きない仕組みづくり」を重視するよう求めています。
それには
• 印刷や書類の持ち出し制限
• 誤送信防止ツールの活用
• パスワードだけではなく、多要素認証の導入
などのセキュリティ対策の強化も含まれるでしょうし、
• プライバシーマーク取得のために、社内で個人情報保護に関するPDCAサイクルを回すこと
は、抜本的な「仕組み」作りと言えると思います。
また、クラウド環境や生成AIの普及により、個人情報の取扱いはますます複雑になっています。これに伴い、利用目的の特定や本人への説明責任(透明性)も重要性を増しています。
一人ひとりにできる「しっかり」の第一歩
一般の生活者の私たちも、SNSやネットショッピング、スマートフォンの利用を通じて日常的に個人情報を扱っています。
しかし、パスワードの使い回しや、怪しいリンクのクリック、写真に位置情報が埋め込まれていることへの無自覚など、“何気ない行動”が大きなリスクにつながることもあります。
PPCの公式YouTubeでは、そうしたリスクに気づくためのわかりやすい動画やマンガ、パンフレットが多数公開されています。
▼例:
• 「意図しない情報公開リスク」
• 「パスワード使い回しの危険性」
• 「SNSでの個人情報投稿の落とし穴」
こうした教材をこの機会に家族や社内で共有することも、大切な取り組みです。
たった1件のミスが、会社の信頼を揺るがす
個人情報の取扱いは、日々の細かな積み重ねです。
派手なハッキング被害だけでなく、「誤って送ってしまった」「確認を怠った」という“たった1件のうっかり”が、企業の信頼や家庭の安全を大きく揺るがすことがあります。
この「個人情報を考える週間」を、組織でも家庭でも、“情報の扱いを見直す習慣”として活用しましょう。ポスターを貼る、動画を流す、研修を行う、ルールを読み返す。できることから一歩ずつ。
(画像をクリックするとPDFをダウンロードできます)
PPCの特設サイトでは、他にも多数の啓発素材や教育資料をダウンロードできます。
これらを使用して、私たち一人ひとりが「しっかり」することが、社会全体の安心につながります。
個人情報を考える週間(PPC)
https://www.ppc.go.jp/news/privacy_awareness_week/
この内容が皆さんにとって何かの参考になればと思います。
また、何か情報が入りましたら、皆様にシェアいたしますね。
プライバシーザムライ
中 康二